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海外教育レポート

2009年9月15日

第21回 くすりの学校教育 海外レポート ~アメリカ(後半)~

今回引き続いてご紹介するアメリカ、今回は国家薬物取締政策や、アメリカ公定書協会、国立アルコール乱用・中毒研究所の施策を紹介します。

超現実的な面もあるアメリカのくすり教育(後半)
               くすりの適正使用協議会海外情報コーディネーター 鈴木 伸二



キャンペーン、ピクトグラム普及、ガイドブックなど、各種施策


 最近では、アメリカのホワイトハウス国家薬物取締政策の若者向けAnti-Drug・メディア・キャンペーンで、1) 家庭でのくすり管理を徹底する、2) くすりを他人に分けない、使用方法、投与量を守るなど、子どものくすり使用について明確なルールを設定する、3) 家族が決められたルールに従う、4) 未使用の古いくすりは捨てることを勧めている、が謳われている。(HealthDay News 2008 July,10)
 また、アメリカ公定書協会(United  States Pharmacopeia, USP)も生徒へのくすり教育にいろいろと貢献しているが、そのひとつに当協議会の活動の一環として取り上げられているくすり服用に関連したピクトグラムの普及が挙げられる。このUSPはそのほかにもいろいろと子ども、大人向けのくすり教育に関する指針、政策方針を公表している。例えば、1999年にアメリカの学校保健協会(American School Health Association)とUSPとの共同編集で子どもと大人に対するくすり教育のプログラムとその教材を開発、評価するためのガイドブック(Guide to Developing and Evaluating Medicine Education Programs and Material for Children and Adolescents)を刊行している。当協議会もこれをもとに日本語版、“児童および青少年のくすり教育プログラムガイド”、を作成している。


(本文を見たい方はこちらをクリックしてください)

 このガイドブックは四章から成り立ち、その目的は大人を介して子どもたちにくすりに関する正しい教育を行うためのガイドブックとなっている。例えば、くすりに対してどのように対処すべきかということに関する項目表では子ども向け、両親向け、養護関係者向けの三部から成っており、子ども向けの項目表にはそれぞれの項目について最低対象年齢が記載されている。例えば、「錠剤とかキャンデーを拾ったら、大人に手渡し、決して口にしないこと。」(三歳以上)、「ピクトグラムを理解すること。」(七歳以上)、「四歳以下の小児の前ではくすりを服用しないこと。もしかしたらその小児がまねをしてくすりを口にするかもしれないから。」(七歳児以上)、「もしくすりを毎日服用している時には、例えば両親に頼んで服用チャートをつくってもらいそこに服用状態を記入してもらう手伝いをすること。」(八歳児以上)、「両親などに自分が服用しているくすりでどのような副作用が起こりえるのか、そしてもし服用中にそのような副作用が起こったらただちに両親に伝えること。」(十歳児以上)などが列記されている。


アルコール乱用と関連づけた活動

 
 そのほかにも国立アルコール乱用・中毒研究所(National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism)の活動があり、また、ボストン大学公衆衛生学部がアルコールならびにドラッグに関する政策、予防、治療についての地域社会での活動をより効果的にするための活動”Join Together”を1991年来推進している。(www.jointogether.org/)なお、アメリカの学校でのくすり教育全般についての総説が発表されているので何らかの参考になるかもしれない。
(Th.J.Reutzel et al. J Am Pharm Ass 41(1):67-77, 2001)

今回本文の中でご紹介した、協議会作成の「プログラムガイド」ですが、皆様にご活用いただいているパワーポイント教材はこれに基づいて作成しています! 是非参考にしてみてください! 次回はオーストラリアを取り上げます。

本欄についての質問、コメントなどはこちらまでお願いいたします。

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