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海外教育レポート

2009年7月15日

第19回 くすりの学校教育 海外レポート ~フィンランド その2(後半)~

効果的なくすり教育を行うには、まず肝心の生徒のくすりの認識が学年によってどう変わっていくかを調査する必要がある、とのことで、生徒を対象とした調査を紹介しています。今回はいよいよ、「くすりって何に使われるの?」の調査結果です!

くすり教育にさいしては、くすりへの理解度を生徒の年齢層別に
正しく把握することが必要(後半)
               くすりの適正使用協議会海外情報コーディネーター 鈴木 伸二



年齢層で異なる用途


 そのほか、「くすりって何に使われるのだろうか」とのテーマに対し、くすりが使われる対象としてあげられている用途も年齢層でかなり異なってくる興味ある結果となっている(表1)。この結果には、本人自身がくすりを使っていなくとも家族の誰かが何らかのくすりを使っている場合の影響や、本人がてんかんを持っている場合には当然そのてんかんも答えの中に含まれることなどの影響が考えられる。

表1 学年別にみたくすりが使われる理由の語彙の変化


調査、研究の重要性


 本調査から得られたこととして報告者が纏めていることは、全体的に考察して言えることとして、生徒たちのくすりに対する知識がきわめて表面的であり、日常生活を通じて断片的に得ている
ことが改めて理解できたことである。一般的には生徒の多くはくすりを使うことに対してネガティブな印象を持っており、できればくすりは使いたくないとの考えが大半であった。もっとも、その逆に自分が特定の病気をもっているような生徒の場合にはくすりの意義をポジティブに理解しているのは当然かも知れない。このような結果を踏まえ、子どもでもやはりくすりの使用者としての観点から、くすりに関する教育がそれぞれの学年を考慮した観点からなされる必要性が理解された。このような結果は他の似たような調査報告からも得られているが、さらに生徒の年齢層に準じてくすりに対する認識度がどのように変化するのかということを、もっと詳細に調査、研究することが提案されている。
 概念的には小中学生にもくすり教育は必要であることは最近では広く認識されている。さらに、国際薬学連盟(FIP)は平成13年に児童ならびに成人に対するくすり教育の憲章を提言し、その中でも児童についてもくすりに関してどのような知識を持っているのか、そしてどのような関心があるのかをも十分に把握することの必要性が提言されている。従って、本号に紹介したフィンランドでの調査は、それぞれの学童の年齢層に応じた教育内容をどのようにしたらよいかとの問いに対する試みの一例として、日本の学校でのくすり教育実施に際しての参考になるのではなかろうか。

参考文献
◆Hämeen-Anttila K. et al. Patient Edu Couns 2006; 60(2) : 171-8
FIP Statement of Principle : the pharmacist's responsibility and role in teaching children and vvvadolescents about medicines(2001).

いかがでしたか?日本では新学習指導要領により、新たに中学校3年生で教育されるようになりますが、協議会には要領の改訂が発表される何年も前から、全国の小学校からの教材貸出申込や小学校の先生達からのユーザ登録を頂き続けています。より低学年の子供たちを指導される先生方に、、是非読んで頂きたい内容でした! 次回は海を渡ってアメリカのくすり教育についてご紹介します。

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