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海外教育レポート

2008年4月1日

第15回 くすりの学校教育 海外レポート ~イタリア~

こどもの好奇心は尽きないものです。今回はそんな子供たちの好奇心や興味を引き付けながら学べる、まさにイタリアらしいともいえる「遊びの要素を取り入れた教材」をご紹介します

遊び感覚でタバコの害を教える
               くすりの適正使用協議会海外情報コーディネーター 鈴木 伸二


 このプロジェクトのひとつに小学生を対象にしたものがあるが、その中のタバコ教材セットを取り上げてみると、教材としての小冊子(31頁)があり、なぜタバコは害なのかという概念をクラス全員で理解できるようにいろいろな挿絵とともに説明がされている。この小冊子はタバコの歴史、成分、ニコチンの作用などを解説し、遊びの要素を取り入れながら全体的な知識を学び取るようになっている。さらに、タバコが健康に及ぼす害についての説明がある。例えば、タバコには4つの有害成分があることを先生がそれぞれ説明し、その後にそれらの有害成分の名前を分解して紙切れに書いたものをばらばらにし、それを正しくつなぎ合わせるような遊びをする。ニコチン(nicotina)の名前はその単語が書かれた紙をni, co, tinaとそれぞれ三分割し、それらの紙が同じように千切られた他の有害性成分名と一緒に机の上に混ぜられ、その中から正しい名前を組み合わせながら取り出すゲームになっている。また、受動喫煙の影響にも言及されている。

教材セットは無料配布

 似たような教材セットがアルコール、覚せい剤の項目についても作成されており、それぞれの教材には小冊子、CD、ポスターなどがセットされている。この研究所が作成している教材セットは申し込めば無料で各学校に配布され、イタリア各地の学校に発送される仕組みになっている。今までに2000部近い教材セットがイタリア国内に配布されている。いずれにしても、このような国立の機関がたとえ「たばこ、アルコール、覚せい剤」といった特殊の項目に焦点を絞っているとはいえ、全国規模の展開を念頭に置いた資料を作成し、キャンペーンを行っているのは珍しい。

 その他の活動として従来のくすり教育の中で比較的無視ないし軽視されていた、小学生、中学生のなかで特定疾患、例えば癲癇に罹っていて学校での医薬品投与が必要な生徒に対する処置があげられる。この目的のためのガイドラインのようなものが2005年に教育省から通達されているのは興味深い。学校内でそのような役割を果たす担当者は一定のコースを習得する必要があるとされている。イタリアでのくすり教育を総体的に眺めてみると、たばこ、アルコール、覚せい剤といった部分に焦点が当てられている傾向が強いのが特徴のようである。

【小冊子の例】*第14回でご紹介したものと同じです


いかがでしたか、次回は今までのような教育カリキュラムの実態報告ではなく、言語が異なる国々で構成されるEUで、くすりの外箱にピクトグラムを表示することの有効性を小学生、中学生で調査したフィンランドでの報告やその内容を中心にご紹介します。

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